押し目買い戦略を検討する場面と考えられる
米雇用統計が予想を上回る内容となり、FRBの利下げ観測が後退。これを受けてドルが上昇し、ドル建て金は3,350ドル付近で上値が重い展開となった。
一方でドル円は上昇基調を維持し、円建て金の価格を一定程度支えているが、短期的には調整圧力も強まりやすい局面である。したがって、円建て金は一旦の押し目が生じる可能性もあるが、中期的には地政学リスクやインフレ懸念が根強く、底堅さも維持されやすい。現時点では新規エントリーは慎重に見極めるべきであり、押し目買い戦略を検討する場面と考えられる。
目次
前週までの推移、総括
ドル円は弱含み、ドル建て金は堅調な上昇トレンド、円建て金はやや調整気味ながらも強気維持。市場ごとに異なる流れが明確である。
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市場 | レジスタンス目安 | サポート目安 | 一目均衡表からの総括 |
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ドル円 | 148円付近 (直近の戻り高値) | 142円付近 (2023年以降の支持帯) | 雲上に位置し三役好転継続。だが方向感乏しく、143円割れはトレンド崩れの可能性あり。 |
ドル建て金 | 3,350〜3,370ドル(上ヒゲ集中帯) | 転換線: 3,270ドル、基準線: 3,150ドル | 雲上を維持し三役好転継続。ただし上値は重く、外部材料次第で反落も想定。 |
円建て金 | 15,750〜15,800円(直近高値) | 転換線: 15,500円 基準線: 14,500円 | 転換線を維持しつつ雲上推移で地合いは強いが、基準線との乖離から調整警戒も必要。 |
主要ニュース、発言・指標
特に、米国の信用格下げや中国の金需要増加などは、金価格の上昇要因となりえるが、米国の経済指標や政策金利の動向によっては、金価格に下押し圧力がかかる可能性もあり。
円建て金に影響を与える主なニュース
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カテゴリ | 内容 | 備考 |
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米国の信用格下げ | ムーディーズによる米国の信用格下げがドル安を招き、金価格の上昇要因となっています。 | ドル安が進行すると、ドル建て金価格が上昇し、円建て金価格にも影響を与える可能性があります。 |
中国による金の大量購入 | 中国が英国から大量の金を輸入しており、世界的な金需要の増加が見られます。 | 金の需要増加は価格上昇要因となり、円建て金価格にも影響を及ぼす可能性があります。 |
重要な経済指標とその影響
指標名 | 内容 | 備考 |
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米国雇用統計 (非農業部門雇用者数、失業率) | 予想を下回る結果は景気減速懸念を高め、金価格の上昇要因となります。 | 景気減速懸念が高まると、安全資産としての金の需要が増加し、価格上昇につながる可能性があります。 |
米国消費者物価指数(CPI) | インフレ率の上昇は金利引き上げ観測を強め、金価格に下押し圧力をかける可能性があります。 | 金利引き上げ観測が強まると、金利のつかない金の魅力が相対的に低下し、価格下落要因となる可能性があります。 |
米連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利発表 | 金利の据え置きや引き下げは金価格の上昇要因となり得ます。 | 金利の据え置きや引き下げが行われると、金の相対的な魅力が増し、価格上昇につながる可能性があります。 |