はじめに
心を震わせる何かを、俺たちはずっと求めてきた。
資産運用だって、ただの数字の羅列じゃない。
今回もまた、未来へ続く道を探していく。
これまでの記事では、円建て金取引の基本とロスカットの重要性について語ってきた。
そして今、いよいよ最適なロスカット設定を手に入れる旅に出る。
割合ロスカットとATRロスカット
道の選び方は、一つじゃない。
ロスカットもまた、ふたつのアプローチがある。
- エントリー価格に対して一定割合逆行で切る「割合ロスカット」
- 市場のボラティリティに応じて柔軟に動く「ATRロスカット」
どちらも間違いじゃない。
でも、金取引の世界では──
リスクを一定に保てる「割合ロスカット」こそが、魂を救ってくれると俺は信じた。
割合ロスカットとは?
心が揺れる瞬間を、どうやって受け止めるか。
それが、ロスカット設定のすべてだ。
割合ロスカットとは、
エントリーした価格から、一定割合だけ逆行したら潔くポジションを手放す仕組みだ。
たとえば──
- 10,000円で買ったなら、1.0%下落した9,900円で損切りする。
- 15,000円で買ったなら、1.0%下落した14,850円で損切りする。
相場の価格水準に関係なく、
いつでも、自分が許せるリスクを一定に保つことができる。
価格が安いときはタイトに、
価格が高いときは少し広めに。
変わりゆく世界に、静かに寄り添うストッパー。
それが、割合ロスカットだ。
なぜシンプルなルールにロスカットを組み込むのか?
たったひとつ。
寄付きで買って、翌日で売る。
──そんな、誰にでもできるようなシンプルな戦略だからこそ、
俺たちはロスカットという「覚悟」を持ち込んだ。
シンプルなルールには、シンプルなリスクも潜んでいる。
何も考えずにポジションを持ち続ければ、
ある日突然、取り返しのつかない傷を負うかもしれない。
だからこそ、必要だったんだ。
「どこまでなら許せるか」
「どこで諦めるか」
その線を、自分で引くことが。
ロスカットは、俺たちが未来を手放さないための
小さな約束だ。
誰に強制されたわけでもない。
自分で決めた、自分だけのルールなんだ。
簡単な戦略でも、守るべきものを守るために。
──だから、ロスカットを取り入れた。
割合ロスカットの最適化検証
2020年4月から2025年3月まで。
長い旅路を走り抜けた5年分のデータを使って、
さまざまなロスカット割合で検証を重ねた。
ロスカット割合 | 総損益(円) | 最大ドローダウン(円) | 勝率(%) |
---|---|---|---|
0.6% | +2,711,496円 | -75,939円 | 51.68% |
0.8% | +2,505,129円 | -100,019円 | 54.22% |
1.0% | +2,310,315円 | -106,439円 | 55.86% |
1.2% | +2,153,640円 | -125,577円 | 56.51% |
1.5% | +1,991,874円 | -151,533円 | 57.33% |
2.0% | +1,862,863円 | -198,060円 | 57.82% |
ひとつひとつ、確かめた。
俺たちの手に馴染む、たった一つの答えを探して。
検証結果から導き出した答え
探し続けた結果、たどり着いた。
──答えは、0.6%ロスカットだった。
- 総損益は最も高く
- 最大ドローダウンは最も小さく
- 勝率も50%以上をキープ
誰にも負けない、そんなリスク管理がここにあった。
なぜ0.6%が有効なのか?
市場は、静かに、でも確実に変わり続ける。
安い時代、高い時代。
どんな時でも、0.6%という基準は、静かに自分を守ってくれた。
- 安い相場では、傷を小さく
- 高い相場では、余裕を持って
常に、俺たちに寄り添う防波堤になってくれる。
それが、0.6%という選択だった。
まとめ
どんなに風が強くても、どんなに夜が深くても。
俺たちは、未来をあきらめない。
エントリー価格の0.6%逆行でロスカット
それが、今この瞬間、俺たちが信じるべき道だ。
次回は、さらにその先へ。
「勝率を上げるエントリー条件」について、追い求めていく。
また、会おう。