ロスカットに関する考察①

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適正なロスカットとは?

最近の急上昇している金価格を考えれば、値幅よりも、ボラティリティで測定していくのが妥当と考える。

逆行幅とは当日始値と安値の比較をする。

<例>
当日始値:6,385円
当日安値:6,375円

逆行幅=(当日安値-当日始値)÷当日始値

逆行幅:-0.18%
※2021年~2025年前半、1099件
目次

検証

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まずは、その範囲は?

指標
件数1,099 件
最高(%)0.00%
最低(%)▲6.37%
平均(%)▲0.60%
中央値(%)▲0.42%
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始値から日中の逆行は90%以上の確率で▲1.5%以内に収まる

範囲累積件数累積割合(%)
0.0%〜▲0.5%以内637件58.0%
0.0%〜▲1.0%以内637+271=908件82.6%
0.0%〜▲1.5%以内908+109=1,017件92.5%
詳細
逆行幅件数割合(%)
0.0%23 件2.1%
▲0.0%~▲0.5%614 件55.9%
▲0.5%~▲1.0%271 件24.7%
▲1.0%~▲1.5%109 件9.9%
▲1.5%~▲2.0%43 件3.9%
▲2.0%~▲2.5%16 件1.5%
▲2.5%~▲3.0%11 件1.0%
▲3.0%~▲3.5%6 件0.5%
▲3.5%~▲4.0%3 件0.3%
▲4.0%~▲4.5%2 件0.2%
▲4.5%~▲5.0%0 件0.0%
▲5.0%~▲5.5%0 件0.0%
▲5.5%~▲6.0%0 件0.0%
▲6.0%~▲6.5%1 件0.1%
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逆行幅ごとの勝率は?

逆行幅帯取引数勝数負数勝率RR合計損益
0%~1%908 件588 件320 件64.8%2.1726,107,000
1%~2%152 件18 件134 件11.8%0.65▲9,431,000
2%以上39 件1 件38 件2.6%0.08▲8,529,000

2023年以降に限定

現在に近づいても、結果は大きく変わらず。
逆行幅帯取引数勝数負数勝率RR合計損益
0%~1%499 件332 件167 件66.5%2.2619,052,000
1%~2%88 件11 件77 件12.5%0.74▲6,126,000
2%以上23 件1 件22 件4.3%0.06▲6,236,000

逆行幅ごとの勝率(0.5%~1.0%の詳細)

逆行幅帯取引数勝数負数勝率RR合計損益
0.5%~0.6%83 件34 件49 件41.0%1.97525,000
0.6%~0.7%56 件22 件34 件39.3%1.86248,000
0.7%~0.8%38 件11 件27 件28.9%1.45▲494,000
0.8%~0.9%53 件13 件40 件24.5%0.68▲1,399,000
0.9%~1.0%41 件10 件31 件24.4%2.34▲334,000
一見、0.8%前後がロスカット基準として適切かの様に見えるが、日中は0.8%までの逆行を見せたが、終値は0.3%にとどまったという様なトレードが含まれているはず。

分析すべき2つのケース

ケース意味すること
①ロスカットせずに、損失を抑えられた裁量的判断や持ち越しにより“助かった”ケース。
→ ロスカットが早すぎると“損失確定”になりかねない
② 損失の拡大を防ぐためのロスカットとして機能ロスカットしなければ、さらに大きな損失を抱えていたため、リスク管理として有効だった
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始値と終値の乖離率を検証

乖離率(平均、中央)=(当日終値-当日始値)÷当日始値
逆行幅帯取引数勝率(%)RR平均乖離率中央値乖離率
0.5%~0.6%8341.0%1.97+0.05%−0.15%
0.6%~0.7%5639.3%1.86+0.03%−0.17%
0.7%~0.8%3828.9%1.45−0.20%−0.44%
0.8%~0.9%5324.5%0.68−0.28%−0.37%
0.9%~1.0%4124.4%2.34−0.19%−0.44%
0.9~1.0%の逆行幅が出た日は、勝率は低く損失に終わる可能性が高いが、その後に一定の反発が起こる傾向が強く、ロスカット基準まで下落したとしても、終値では損失を大きく軽減しているケースが多い。
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ロスカットのアリナシ比較

指標ロスカットなしロスカットあり(0.8%)変化率(%)
合計利益35,789,000円33,443,000円−6.6%
合計損失27,642,000円27,755,720円+0.4%
合計損益8,147,000円5,687,280円−30.2%
勝率55.2%51.4%−3.8pt
RR1.051.14+0.09
指標ロスカットなしロスカットあり(1.0%)変化率(%)
合計利益35,789,000円34,871,000円−2.6%
合計損失27,642,000円27,744,760円+0.4%
合計損益8,147,000円7,126,240円−12.5%
勝率55.2%53.5%−1.7pt
RR1.051.09+0.04
指標ロスカットなしロスカットあり(1.2%)変化率(%)
合計利益35,789,000円35,171,000円−1.7%
合計損失27,642,000円27,515,280円−0.5%
合計損益8,147,000円7,655,720円−6.0%
勝率55.2%54.2%−1.0pt
RR1.051.08+0.03

結論

ロスカット水準合計損益勝率RR評価
なし+814.7万55.2%1.05最も高収益・高勝率
0.8%+568.7万51.4%1.14勝率・損益ともに大幅に悪化
1.0%+712.6万53.5%1.09損益 −12%、RR改善は限定的
1.2%+765.5万54.2%1.08損益 −6%、最もバランスが良好
ロスカット水準を検証した結果、勝率・合計損益は一貫して低下し、特に0.8%では回復可能なトレードを過度に遮断し、合計損益が30%超も悪化するなど逆効果が顕著であった。

一方、RRはすべての水準で改善したが、それは平均損失が統一された結果であり、収益性の改善とは直結しない。最もバランスが良いのは1.2%水準だが、収益性ではロスカットなしが最適である。

よって、以下の検証を進める

①リスク管理はロスカットよりも最大ドローダウンに応じたロット数調整
②戦略精度を高めるにはMomentum条件を加えた限定的なロスカット検証
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