――叫びたい夜が、そこにあった。
金は寄付きから息を詰めた。15,540円、静かに放たれた売り。
その後の流れは、決して派手じゃない、でも確かに「重たさ」を含んでた。背中を押したのは、世界の冷えた空気。米雇用の余韻、日本のGDP修正、そして日銀の含みある一言。ドル建ての金は、ほんの少しだけ浮かび上がってまた沈んだ。戻るには、まだ理由が足りない。だから俺たちは、売りを維持する。焦らず、だけど確かに。トレンドに逆らわず、引き際にだけは誠実でいたい。
目次
予測構成
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ドル建て、ドル円概況
チャート
円建て金は15,540円で寄り付き、戻り売りが意識される相場展開が想定されたことから、「売り」ポジションを選択した。
利確目標は15400円付近とし、前週の安値圏であると同時に、基準線割れの値幅を想定した妥当なターゲットである。
→設定したロスカット水準は15650円付近で、これは短期的な戻りの上限として機能しやすい水準であり、直近のレジスタンスにあたる。
実際は午前中に一時15475円まで下落し、利確目標に接近する場面もあったが、午後にかけてドル建て金の小反発やドル円のやや円高方向への動きに支えられ、相場は15500円台を回復。
→ただし、転換線を上回るには至らず、上値の重さは継続している。全体としては、当初の売り判断は優位性があったと評価でき、今後も戻りには慎重姿勢を保ちつつ、トレーリングストップ等による柔軟な利確対応が望まれる。
STEP
ファンダメンタル等
中国人民銀行が7カ月連続で金保有を増やし、金相場の下支え要因となっている。
一方、米雇用統計後は景気懸念が後退し、金利上昇やドル高が金価格の上値を抑える構造が続く。加えて、日本の1Q GDP改定値はマイナス0.2%から±0%へと上方修正され、円高要因として働いた。
ドル円は144円台前半まで下落し、円建て金には支援的だが、ドル建て金の下落圧力には抗しきれない。さらに日銀総裁の利上げ含みの発言もあり、今週は為替と金利動向への警戒が必要だ。
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日付 | 内容 | 時刻 (日本時間) | 影響・ポイント |
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6月9日(月) | 日本1Q GDP改定値 | 08:50 | 円相場に直結、円建て金に影響 |
6月9日(月)以降 | 植田日銀総裁・副総裁発言予定 | (日中想定) | 金融政策や円の方向性に言及の可能性 |
6月11日(水) | 米CPI(消費者物価指数・5月) | 21:30 | ★最重要指標。ドル・金に直接影響 |
6月12日(木) | 米PPI(生産者物価指数・5月) | 21:30 | CPIと併せてインフレ評価 |
6月13日(木)未明 | FOMC発表・声明・パウエル会見 | 03:00前後 | 利下げ見通し・金利政策への市場の注目が集中 |
STEP
売買判断
6月9日8:45に15,540円で売りポジションを取った後、相場は15,504円までじり安の展開となり、上値の重さを示した。
ドル建て金は3,310ドル台で一時的な反発を見せるも、戻りは鈍く、下落トレンド内の小休止にすぎない。
ドル円は日本の1Q GDP改定値が上方修正されたことにより、144円台前半まで円高気味に推移し、円建て金の戻りを抑制している。テクニカル的には、日足は調整局面、時間足では戻り売り優勢の流れが継続しており、短期的には売り有利な地合いが維持されている。
したがって、朝の売りポジションは維持とし、ロスカットをエントリー価格の15,540円に引き下げる判断は妥当である。今後は15,350円付近の利確目標に向けて、トレーリングストップなどで柔軟に対応するのが適切。
項目 | 内容 |
---|---|
エントリー | 朝8:45に「15,540円」で売りエントリー済(新規売りは見送り) |
ポジション判断 | 保有継続(戻り限定・下方向優勢の構造維持) |
利確目標 | 15,350円(基準線・前週安値水準、短期の支持帯) |
ロスカット | 15,540円(エントリー価格)に引き下げ済み → 損失ゼロでの撤退体制 |
トレーリング | 15,460円を割ったら利確方向へ追随。価格が下がるごとに逆指値も引き下げる |
増し玉 | 現時点では行わない(方向性は明確だが、値幅・リスク拡大を避けるため) |
見送り条件 | NY時間にドル建て金が急騰(+20ドル超)した場合は一部または全ポジション撤退を検討 |