2025/06/12② まだ早い夜明け前 ― 見送りこそが仕掛けの前触れ

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【本日の売買判断:見送り】

本日も、流れに身を任せすぎぬ慎重さが光る。売買判断は見送り。波風立たぬ海に網を投げぬのは、臆病ではなく賢明というものだ。

11日17時、円建て金は一時の高み15,740円へと舞い上がったが、FOMCのタカ派色に染まった風が市場を冷やし、ドル建て金は失速、円建ても追って転落。ロスカット15,580円に触れ、潔く手を引くこととなった。しかしその後、反動からの買いが入り、価格は15,670円前後に戻り着地。8時45分には明確なトレンドも見えず、ここでも見送りの決断。これがまた的中。東京時間は眠たげなレンジに終始し、動意なき相場に仕掛ける意味はなかった。

今夜は21:30のPPI、3:00のFOMC声明・会見と、波が立ちやすい海域に入る。数字一つでドルも金も、右に左に大きく振れる。トレンドが生まれるのは、それらを経てからだ。だからこそ、今は動かず、ただ構え、観る。見送りは敗北ではなく、「次」のための静かな準備である。

【6/12 17:00~翌6:00の値動き予測】

本日17時以降の相場は、米PPI(21:30)を控えた様子見ムードの中で始まる見通しである。

ドル建て金はCPI低下を受けた反発の流れを維持しつつも、FOMCでのタカ派スタンスが重石となっており、3,370ドル台前半での揉み合いが続いている。ドル円は145円を割り込んだ水準で推移し、為替のサポート効果も限定的である。

これにより、円建て金は15,650円前後を中心とした保ち合いを継続する可能性が高い。夜間はイベントを受けたドルの急変が焦点となり、PPIが下振れすればドル安・金高が加速し、円建て金は15,700円台を試す可能性もある。一方、上振れすれば再び下落圧力が強まる。したがって、夜間は上下いずれかへのブレイクを警戒しつつ、静観もしくは短期的な順張りが有効と考えられる。
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前回までの収支(今月分)

確定:▲941,230円
未確定:▲179,500
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2025/6/11 17:00~ 振り返り

6月11日17時以降、円建て金は一時15,740円台まで上昇するも、米FOMCでのタカ派的見解を受けてドル円が上昇、ドル建て金が反落し、円建て金も下落に転じた。
→設定されたロスカット(15,580円)に到達し、損切りでの撤退となった。

その後は急落の反動で買い戻しも入り、再び15,670円前後での揉み合いが継続。8時45分の判断では、方向感に乏しくエントリーは見送りとされたが、東京時間を通して大きな動意は見られず、終始狭いレンジでの推移に終始。よって、朝のノートレード判断は適切であり、慎重な姿勢が奏功したかたちだ。

円建て金_1時間足

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注目ニュース、発言予定

21:30発表の米PPIと新規失業保険申請件数、明日未明3:00のFOMC声明・パウエル議長会見が最大の注目材料となる。PPIが予想を下回れば、利下げ期待が再燃しドル安・金高圧力が強まる。

一方で上振れすれば、金利上昇観測によりドル高・金安の展開も。FOMCでは年内の利下げ見通しが焦点で、タカ派寄りの内容であればドル円は再び上昇し、円建て金には下押し圧力がかかる。逆にハト派的な見通しが出れば、金価格上昇の追い風に。また、地政学リスクや日銀の利上げ観測にも注意が必要であり、これら材料次第で為替も含めた相場全体が急変する可能性がある。したがって、現時点では無理なエントリーを避け、イベント通過後にトレンドが明確化してからの仕掛けが望ましい。

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2025/6/11 8:45~ 売買判断

項目内容
エントリー判断見送り(ノートレード)
根拠円建て金は15,660円付近での推移が続き、方向感に乏しい展開となっている。
日足では依然として雲の下に位置し、転換線と基準線のクロスも上昇に転じる兆しは見られない。
時間足においても雲の下限が上値を抑える形となっており、平均足も陽陰が交錯しながら推移しており、明確な上昇トレンドの形成には至っていない。

加えて、ドル建て金は3,320ドル台半ばで伸び悩み、ドル円も145円台での膠着が続いていることから、三者間の連動性においても仕掛けに優位性は認められない。

今夜の米PPI発表を控え、参加者の様子見姿勢が強まりつつある中、無理なエントリーは想定外の変動に巻き込まれる可能性が高く、現時点では見送りが妥当な判断である。
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