2025/06/12 静観こそ勝機 ― 不確実性の海に挑まぬ賢者の選択

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【本日の売買判断:見送り】

陽が昇り、期待と不安が交差する朝のチャートに目を凝らせば、答えは明白であった。

CPIの鈍化がもたらした金高の風に乗り、一時は15,750円の高みを試す勢いも見せた円建て金。しかし、FOMCは年内1回の利下げという現実を突きつけ、市場の熱を冷ます。ドル円は上昇へと転じ、ドル建て金は反発力を失い、やがて下落の重みに押し潰された。

かくして、寄付き直後の上昇劇は幕を閉じ、午後には15,680〜15,730円の狭間で漂うばかり。買いの勢いは後退し、売りの確信も見えぬまま、マーケットは曖昧な呼吸を続ける。今夜の米PPIと新規失業保険申請件数、さらにはFOMCの余波に備え、市場は再び硬直状態に陥るであろう。

戻り売りの罠に踊らされることなかれ。スラストアップの余韻、陽線連続の示唆はまだ生きている。だがそれは、深追いせぬ者にのみ微笑む光明である。今はただ、嵐の予感に耳を澄まし、確かなトレンドが芽吹く時を待つ。エントリーは、今ではない。

<15:45までの想定>
前夜の米CPI低下によるドル安・金高の流れを引き継ぎ、寄付き直後に15,750円超の水準を試す可能性がある。
→FOMCでは年内1回の利下げ見通しにとどまり、タカ派的な印象も残ることから、朝方の上昇が一服すれば利益確定売りに押され、15,680~15,730円のレンジ内での保ち合いに転じる展開も想定される。

加えて、今晩の米PPI発表(21:30)を控えて東京勢は慎重姿勢となりやすく、積極的な仕掛けは限られそうだ。ドル建て金が伸び悩み、ドル円が145円前後で底堅く推移すれば、円建て金も高値圏では上値が重くなるリスクがある。結果的に本日午後は方向感を欠く展開になりやすく、様子見姿勢が無難と判断される。

戻り売りは現状リスクが高い。米CPI下振れにより金は上昇基調に転じ、テクニカルでも雲上抜けや陽線連続が確認されている。さらにイベント前のポジション調整により下値も限定的とみられ、無理な売りは踏み上げの可能性を高める。現局面では押し目買いか静観が賢明だ。



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前回までの収支(今月分)

確定:▲1,687,900円
未確定:+ 367,000
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2025/6/11 17:00~ 振り返り

6月11日17時、円建て金は東京タイムのスラストアップと時間足・日足の好転シグナルを背景に、成行で買いエントリー。
→目標は15,750~15,780円、初期ロスカットは15,580円に設定された。
→エントリー後、値動きは堅調だったが、21:30発表の米CPI(消費者物価指数)が市場予想をやや下回り、インフレ鈍化を示唆。これにより一時的にドル安・金高が進行し、ドル建て金は上昇、ドル円は下落した。

しかし、深夜3:00のFOMC声明とパウエル議長の会見では、政策金利は据え置かれたものの、年内の利下げ回数が「1回」と示され、予想よりタカ派的な内容に。これを受けてドル円は急上昇し145円後半を突破。ドル建て金はCPIの上昇を帳消しにする下落を見せ、円建て金にも売り圧力が波及した。

結果として、円建て金は15,580円のロスカット水準に到達し損切りによりExit。その後、金は急落の反動で再び買い戻され、円建て金は15,650円台まで反発した。

この取引は利確には至らなかったが、主要イベントの影響で乱高下する中で、リスクを限定したロスカット設定は極めて妥当だったといえる。

方向性に期待を持てるシグナルのもとに仕掛け、過度な損失を避けた点で、戦術的には正しいマネジメントであった。再エントリーの余地も十分に残されており、相場変動への柔軟な対応として評価できる内容だった。

円建て金_1時間足

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注目ニュース、発言予定

本日以降は米国のインフレ指標と金融政策を中心に、相場の方向性を決定づける重要イベントが続く。

21:30発表の米PPI(卸売物価指数)と新規失業保険申請件数は、インフレ動向と労働市場の強弱を測る指標として注目され、結果次第で金利・ドル・金相場に即時の影響が出る。
翌3:00にはFOMC政策金利とパウエルFRB議長の会見が控え、利下げ時期や年内見通しに対する言及があれば、市場のトレンドを大きく変える可能性が高い。
中国・中東情勢や日銀の動向にも警戒が必要。直近ではCPI通過後のボラティリティが想定以上に限定的であり、
今日のイベント群が改めて動意づけの契機となるか注目される。現時点ではエントリーを急がず、イベント通過後のトレンド形成を確認した戦略が望ましい。
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2025/6/11 8:45~ 売買判断

項目内容
エントリー判断見送り(ノートレード)
根拠FOMC通過後のドル建て金は一時反発したが、持続的な上昇には至らず、方向感が乏しい状態が続いている。

円建て金も15,700円前後で揉み合い、日足・時間足ともにトレンドが不明瞭である。さらにドル円もイベント後の乱高下を経て静まりつつあり、為替による追い風も限定的。これら三者のトレンドが噛み合わず、エントリーの優位性が見出せない場面といえる。
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