この街の鼓動は静まり返り、金も為替もただ揺れているだけだった。
6月10日、15,500円付近を彷徨う円建て金。上も下も夢を見せず、雲に包まれた時間足は迷いの渦中。陰陽が交錯する平均足に、トレンドの灯は見えない。
ドル建て金は3300ドル台後半で息を切らし、ドル円も足取りを止めていた。CPIやFOMC前の沈黙は、誰もが次の一歩をためらうサイン。だから僕らは、手を出さなかった。損もしないが、得もない。でもそれでよかった。今のマーケットには叫びがない。だからこそ、「見送り」という静かな選択が、この夜の正解だった。明日、CPIが風を運ぶ。その時、また歩き出せばいい。夢の続きは、トレンドの先にある。
<15:45までの想定>
6月11日8:45~15:45の円建て金相場は、方向感に乏しい保ち合いが続くと予想される。
本日夜に米CPI、深夜にFOMC声明とパウエル議長会見を控えており、市場参加者は積極的な取引を避ける傾向にある。
円建て金は15,500円台前半で推移し、日足では転換線上をかろうじて維持しているものの、時間足では雲の中でもみ合い、平均足も陰陽交錯とトレンドが出にくい状況が続いている。
ドル建て金は3,320ドル付近で上値の重さが意識され、ドル円も145円台前半で膠着。こうした三すくみの状態では、エントリーしても期待値は低く、リスクが先行しやすい。したがって、東京時間では基本的に「様子見」が妥当な判断となる。午後に向けての動意づきがあっても限定的であり、大きなトレンドの転換は米イベント通過後と見込まれる。
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前回までの収支(今月分)
確定:+880円
未確定:▲1,079,000
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2025/6/10 17:00~ 振り返り
円建て金は15,500円付近を中心に推移し、上値も下値も限定的。
時間足では一目均衡表の雲内推移、平均足でも陰陽が交錯しており、どちらに仕掛けてもリスクリワードが悪い場面であった。
ドル建て金は戻りを試す動きがあったが、3300ドル台後半で伸び悩み、下落基調からの転換は明確に見られなかった。ドル円も重要イベント(CPI・FOMC)を前に方向感を失っており、円建て金に対しても明確なトレンドを形成する材料にはならなかった。
これらの要素を総合的に鑑みれば、「見送り」は極めて妥当で、無理にポジションを持たずに静観する判断が最も合理的であったといえる。マーケットは依然として三すくみの構造(ドル金=重い、ドル円=動かず、円建て金=様子見)にあり、明確な仕掛け場は訪れていない。今後も大きなトレンドが生まれるまで、慎重姿勢の継続が望ましい。
円建て金_1時間足

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2025/6/11 8:45~ 売買判断
項目 | 内容 |
---|---|
エントリー | 見送り(ノートレード) |
理由 | 3者ともトレンドが噛み合わず、優位性ある仕掛け場面とはいえない。 現在の円建て金は15,550円前後で推移しており、日足では転換線をかろうじて維持するものの、基準線・雲上限との乖離も小さく、方向性に乏しい展開。 一方、時間足では15,500円〜15,580円のレンジ内でもみ合いが継続しており、平均足は陰陽が交錯、MACDやRSIも明確なトレンドを示していない。ドル建て金は3320ドル付近で伸び悩み、ドル円も145円台前半で膠着状態。 |
- 本日夜に米CPI(21:30)、明日未明にFOMC声明・パウエル発言(3:00)が控えており、大きな変動前のポジション整理や様子見ムードが強い。
- 相場が方向感を失っており、損益のブレが大きくなるだけで期待値のあるエントリーではない。
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注目ニュース、発言予定
全体としては、重要指標ラッシュ前後での急変に備える必要がある相場環境にある。
6月11日以降の最大の注目は、今夜21:30発表の米CPI(消費者物価指数)である。市場は前年比+3.4%、コアCPIで+3.5%を見込んでおり、インフレ鈍化が確認されれば、早期利下げ期待が再燃し、金価格にとって支援材料となる可能性がある。逆に予想を上回れば、金利高・ドル高につながり、金は下押し圧力を受けやすい。
また、6月13日未明(3:00)のFOMC政策金利発表とパウエル議長の会見も極めて重要であり、市場の金利見通しが改めて問われる局面となる。今回のFOMCでは利下げが見送られる見込みだが、年内の利下げ回数やその時期に対する示唆が注目される。
さらに、翌日12日の米PPI(生産者物価指数)や、13日の米新規失業保険申請件数も続く。これらはインフレ・景気判断に影響を与え、金やドル円のボラティリティを高める要因になる。
加えて、日銀総裁の発言にも要注意であり、6月中旬の会合に向けたタカ派姿勢が強まれば、円高圧力→円建て金の上値抑制要因となりうる。