2025/06/10② 賭けない勇気、静寂の6月

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夢中で駆け出した6月の東京、金は彷徨っていた。寄り付きからひとつも15,600円に届かず、誰もが空を見上げた。日足はまだ灯を残すが、時間足は揺れる心のように陰と陽を交錯させた。だから、あの日の「見送り」は、逃げじゃなかった。俺たちは賭けなかった。何にも支配されず、ただ正直に、無理な勝負を拒んだ。

17時。再び向き合うチャートの前でも、踏み出さなかった。理由は明快だった。上も下も信じきれない。FOMCやCPIの前夜、静寂を選ぶ勇気があった。

遠くでは、植田の声が円に風を送り、中国は金を買い続ける。世界は変わる。けれど今はまだ、風向きを見極める夜だ。
<6:00までの想定>
6月10日17時以降の円建て金相場は、上値の重い展開が続くと予想される。ドル建て金は米中貿易協議への慎重姿勢やドル高基調を背景に3300ドル台前半へ軟化し、上昇の勢いを欠いている。ドル円も144円台後半で方向感に欠け、円建て金を支える要素にはなりにくい。こうした中、円建て金は15,500円前後での保ち合いが続く見通し。米CPIやFOMCを控え、市場は様子見ムードが強く、今晩から明朝にかけても大きなブレイクは期待しづらい。明確な優位性が見えにくいため、17時以降は引き続き「見送り」が最善の判断と考えられる。
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前回までの収支(今月分)

確定:+880円
未確定:▲1,079,000
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2025/6/9 17:00~ 振り返り

6月10日8:45以降、円建て金は寄り付き後も方向感に欠ける展開が続き、高値は一度も15,600円に届かず、上値の重さが意識された。東京時間を通じて15,500円台前半でのもみ合いに終始し、戻りも限定的だった。結果的に、日足では転換線をかろうじて維持するも、時間足では陰陽交錯する平均足が示す通り、トレンド不明瞭な状態が続いた。

このような背景を踏まえた「見送り」の判断は極めて妥当だったといえる。相場は下落とも上昇とも取れない中立的地合いであり、明確な優位性がない場面でのエントリーは避けるべきだった。

円建て金_1時間足

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2025/6/10 17:00~ 売買判断

項目内容
エントリー見送り(ノートレード)
理由円建て金は15,500円台前半で方向感に欠け、テクニカル的にも日足では上昇基調の兆しが見える一方、時間足では戻り売り圧力が根強く、売買いずれにも明確な優位性が見出せない。
加えて、ドル建て金とドル円も小動きで、FOMCやCPIといった重要イベントを控える中、無理な仕掛けはリスクが高いと判断した。
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注目ニュース、発言予定

海外では、11日から13日にかけての「米CPI」「米PPI」「FOMC声明およびパウエル議長会見」が最大の焦点です。これらは金融政策の方向性に直結し、ドル金・ドル円・円建て金価格すべてに強く影響を与えるでしょう 。

要人発言でも、日銀総裁の発言が円相場に波及するため注視すべきです。今日10時すぎに植田総裁が「利下げ余地は限られている」との見解を示しており、これが短期的な円高・円建て金支援要因となる可能性があります
また、中国人民銀行による中銀の金購入は継続的な支援材料です。WGC(世界金協議会)は買い増しの姿勢が今後数カ月で金価格を下支えすると指摘しています。

地政学面では、ウクライナ情勢や米中通商協議の進展もリスク要因として金が反応しやすく、特に米株式市場ではリスクオフ局面での金買いが顕著になっています 。

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